シリーズ:お酒が語る、酒物語

「雪しぼり生原酒・にごり酒」

コーボ 今回お訪ねするのは、冬の季節商品としてお馴染みの、『雪しぼり生原酒』と『雪しぼりにごり酒』の雪しぼり兄弟だ。こんにちは!
雪しぼり兄弟 やあ、コーボ君!
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コーボ ええと、生原酒さんがお兄さんでしたね?
生原酒 そう。僕の誕生が平成4年、弟のにごり酒が平成6年だ。コーボ君は僕らの名前の由来を知っているかい?
コーボ それをお聞きしたかったんです。素敵な名前だもの
生原酒 これは有名な発酵学者の小泉武夫先生がくださったんだよ。ある日、小泉先生が『太田君、素晴らしいプレゼントがあるよ』と言われたのだが、それがこの名前だったんだ
コーボ へえー、名前のプレゼントなんて、洒落てる!
生原酒 東北の酒蔵にしんしんと雪が降る中でしぼられたお酒をイメージされたそうだ。社長はちょうど構想中だった僕にその名を戴いたんだ
コーボ なるほど、それで雪しぼりか。見事にぴったりですね
雪しぼり兄弟 僕らも大好きな名前だよ
コーボ ラベルのデザインにはどんな由来があるのですか?
生原酒 僕が生まれた平成4年は、世の中では長年続いた級別制度が廃止され、大七にとっては創業240年という節目の年だった。そこで大七は、レギュラーの清酒大七をデザイン一新したんだ。その新しいデザインのモチーフは、芸術や技巧を象徴するアカンサスの葉だ。僕にも同じアカンサスが黄金に輝いている
コーボ そうか。こちらも大七の新たな伝統を表現してるんだ
生原酒 うん。かつては生もと造りの酒は十分な熟成が必須で、しぼりたてを原酒で飲むなんて考えられなかった。大七は技術力でその壁を初めて打ち破ったのさ。モダンなテーブルボトルの僕は、到来した新時代の象徴だったな
コーボ 生原酒さんが白地に金、同じデザインでブルーメタリックのにごり酒さんは、二年後に誕生したんですね?
にごり酒 そうだよ。当時は濃厚な甘口のにごり酒や活性清酒が流行していた。それで大七では、薄にごりの爽やかなにごり酒を考えたんだ
コーボ にごり酒さんは独特の微発泡性が人気ですよね
にごり酒 それは瓶詰めしてから瓶内で二次発酵させ、適度な微発泡性にしてから熱殺菌して安定させてるんだ。この独自のスタイルがとても受けた
コーボ 活性清酒と違って熱殺菌してるからいつでも品質が安定してます。雪しぼりにごり酒を飲んで日本酒の美味しさに目覚めた、と言う人が沢山いますよ
にごり酒 ありがとう。優しい香りと微炭酸が食欲を刺激するから食前酒に最適だよ。春野菜のほろ苦さにも、天婦羅にも合う。洋食ならソテーやスパイスを効かせた料理もいいね
コーボ それは美味しそう!にごり酒さんは海外でも人気者です。生原酒さんのほうは、合う料理はいかがですか?
生原酒 そうだな、フレッシュで旨味の乗った力強い味わいの僕に合うのは、新鮮な魚介の刺身や生牡蠣あたりだろうね
コーボ いいですね!生原酒さんには、しぼりたてからさらに半年余り熟成させた、熟成生原酒という限定版もあります
生原酒 うん。熟成すると旨味、柔らかみが増して、料理との相性もずっと広くなる。アンキモや肉料理にもね
コーボ 今日はありがとうございました。お二人とも、これからも頑張ってください!